佐渡 裕 芸術監督プロデュース オペラ「蝶々夫人」写真撮影:飯島 隆 佐渡 裕 芸術監督プロデュース オペラ「蝶々夫人」写真撮影:飯島 隆 佐渡 裕 芸術監督プロデュース オペラ「蝶々夫人」写真撮影:飯島 隆
2006年 7月16日、23日 兵庫県立芸術文化センター
佐渡 裕 芸術監督プロデュース オペラ「蝶々夫人」より
写真撮影:飯島 隆

 大岩さんは7月に兵庫芸術文化センターでの「蝶々夫人」公演でタイトルロールを歌い大成功をおさめました。今、人気絶頂の佐渡裕が指揮し、日本の美を徹底的に追求する栗山昌良の演出、「蝶々夫人」を最も得意とする大岩千穂の組み合わせによる今回の公演に対しオペラファンは大きな期待感をもってのぞみましたが、実際の公演はその期待感をはるかに上回るものでした。全幕を貫くプッチーニのリリシズムの中で、大岩さんはピンカートンに対する献身的な愛、子供に対する無限の思い、全てを失う深い絶望のどん底でも武士の娘としての誇りを保ちつつ運命の流れの中で必死に愛と信念に生きようとした若い日本女性を見事に演じました。大岩さんの「ある晴れた日に」「愛の二重唱」「花の二重唱」はいずれも素晴らしく特に第二幕幕切れの「かわいい坊や」では観衆の心を大きくゆすぶり、凛とした演技により、最後まで武士の娘としての誇りを表現しきり絶賛を浴びました。耽美的ともいえる美しい舞台、能を思わせる日本の様式美、プリマドンナ大岩さんの素晴らしい歌と演技、佐渡裕さんの入魂の指揮。2000人の観衆は至福の時を過ごし、涙を浮かべながらスタンデングオベーションで感謝を表しました。そして急速に変わり続ける時代の流れの中で伝統的な価値観と新しい現実という運命に挟まれながら一生懸命生きてきた私達日本人みんなの心の中にはいつも、その時代時代の「蝶々さん」が住んでいることを改めて思い起こさせる素晴らしい「蝶々夫人」でした。


大岩千穂後援会 2008